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ありあんさ史研究会について

「ありあんさ通信」はブラジル・サンパウロ州にあるアリアンサ移住地とコムニダーデ・ユバ(ユバ農場)の歴史を調べ、日本とブラジルの関わりを考えるための通信です。

 1994年に現代座の「もくれんのうた」がブラジルに招聘され、ブラジル日系人を対象に13都市15公演が実現した際、多くの日系人の方から、「いまのうちに自分たちと母国日本とのかかわりを何とか記録して残してほしい」と訴えられ、同胞を送り出したわたしたち自身、日系人とのかかわりの歴史を失ってしまっていることに気がつきました。
ブラジルでも戦後生まれの人たちは日本語ができないため、現地に残る日本語資料を通して歴史を知ることは困難になっており、資料も四散してしまっています。
一方、送り出した日本の側でも十分な資料はなく、ブラジル移住についての研究者もあまりいないようです。
国策による大規模なブラジル移住を決定づけた昭和二年の海外移住組合法公布やブラジル拓殖組合の設立についても、定評ある岩波日本史年表にさえ記載されていません。

 1998年はブラジル移住が始まって90周年目でしたが、マスコミでもほとんど取り上げられませんでした。
現在、20万人を超える日系ブラジル人が外国人労働者として、またその家族として日本に在住しているのですが、これらの人々とどう共生していくのか、また子弟の教育はどうするのか、その他の外国人労働者の問題と併せて社会問題化しつつあります。
ほんとうは21世紀の日本を考えるためにも、異文化圏の人々とどのように共生していくのかを考えるためにも、かつて異文化圏に送り出された同胞たちの歴史は、わたしたちにとっても貴重な証言であると思います。

 1996年に現代座はアリアンサの人々と協同でありあんさ史研究会を発足させ、現地に眠る資料の掘り起こし、日本側における関連資料の収集をはじめています。
実際調べ始めて見ると、移住史にはさまざまな思いがけない事実があります。
特別に何の役に立つと言うことではありませんが、少しでも多くの方々に日本人の異文化とのかかわりの歴史として知ってもらう資料になればさいわいです。

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